偶然立ち寄ったお店の張り紙で、ずっと迷子になっていた飼い猫が無事に戻ってきたとの報告がしてあって、思わず声を上げた。
色んなお店で見かけていた茶虎の男の子のチラシで、最近見ないと思っていたのだ。
なんと7カ月ぶりに8キロも離れた車通りの多い場所でこの冬を乗り越えて元気に戻ってきたとのこと。
張り紙によると、失踪時よりも太っていたらしく、近隣住民の方のサポートがあって無事に入れたのだろうと書かれていた。
とても長い張り紙のメッセージに、見つかった喜びと、二度とこのようなことを起こさないという強い決意が感じさせられる。
戻ってきた猫ちゃんも元気そうで本当に良かった。
失踪チラシを見るたびに、手書きで「〇〇付近で見つかったという情報がありました」などとメッセージが追加されていて、どれほど心配されていたのかが分かる。
私も、今飼っている猫を一度脱走させてしまって、近所のおうちすべてにお願いをして、庭の中を捜索させてもらった経験がある。
ペット探偵で有名な方に依頼しようとしたとき、予約がいっぱいでお願いできず、絶望していた時に、その方がわざわざ捜索方法の資料を送ってくださったのだ。
そのやり方が、チラシ配りと、早い段階でのローラー作戦。
散々大声で名前を呼びながら、近所中を探し歩いてた時、私の声をかき消す鳴き声が聞こえてきた。
鳴き声がなければ間違いなく分からなかった民家の軒下に積み重ねられた鉢植えの後ろ側の小さなスキマに縮こまっていたのだ。
声はするけど、姿が一切見えない。
まさかこんなところに、というところから、壁の中から声が聞こえるのかと思ったほど。
あの時は本当に泣いた。
家の前は車道で、見たことがない外に初めて出て、怖くて帰れなくなって隠れていたのに、私の声に反応して鳴き返してくれた。
(家の中ではほとんど鳴かないのに)
ペット探偵の方や気持ちよく庭に入れてくれたご近所の方たち、チラシの掲示を引き受けてくれたお店の方たち。
人々の優しさにも本当に感動した。
その日の夜に見つかって、翌朝、お願いした各所に報告とお礼に行ったら、皆さん喜んでくれたのも思い出深い。
私の場合は、本当に運がよく、当日朝から夜までの捜索で見つけることができた。
でも、7カ月もあきらめずに探し続けられたご家族の気持ちを思うと、しかも、同じ茶虎の姿を見ると、他人事でなく。
本当に良かった。
猫ちゃんもご家族も辛かったろうに。
猫ちゃんはどうか、辛かった日々は忘れて、家猫として生涯楽しく幸せに暮らしてほしい。
うちも、脱走だけは、二度とさせたくない。
あんな思いはしたくなし、猫たちにもさせたくないから。