随分と大事なもの、みたいな触り方をするんだな。
と、なんだか冷静に思ってしまった。
「自分のことをどう思っているのか?」
そんな些細なことを、たぶんお互いがずっと言えずにいる。付かず離れず、2年は経った『友達以上恋人未満』な中学のたった3年間だけ同級生だった人。特に仲は良いわけでも全然なかった。
それが、なぜか大人になってからよく会うようになり、あるときから、その腕に触れてみたいと思うようになってしまった。いつからかそんな、以上未満な関係になった。
お互い、異なる事情があって、簡単には誰かと付き合ったり出来ず、深くは踏み込めないままでいる。
だから、これ以上の進展が望めないのなら、もう終わりにしようと思ってた。
それなのに。
いつもはむしろ、遠慮のないような触り方をするのに。関係を見限ろうとした今日に限って、どうしてそんな、大切なものみたいにわたしに触れ、大事に扱うのだろう。どうして優しく頭を撫で、抱きしめてそのまま一緒に眠ろうとするのだろうか。