父、80歳でガン見つかる。それから1年と3か月ほど。
最初に見つかったガンはほぼ消えたけれど、足の運びが悪くなり検査をすると、脳への転移が発覚した。
放射線治療も試みたがすっきり消えたわけではなく、父はすっかり弱ってしまった。
父は自ら体を動かすことができなくなってしまっていると、介護にあたっている母は言う。
週二回のデイサービスを受ける予定だったが、初回は荒天で中止。
ほぼ毎日来てくれる包括支援センターの職員さんは、日に日に弱る父を見て「自宅で受けられるサービスにした方がいいかもしれない」と、訪問看護に切り替える計画が出ているらしい。
介護ではなく、看護。
「歩みが止まれば 旅立ちは近い」
…『エマ』という漫画で読んだ言葉。一言一句同じかは自信がないけど。
私はたぶん、親を見送る覚悟をしなければならないんだと思う。
実家は本当にとんでもなく田舎なのだ。
たどり着くまでにとんでもなく費用と時間がかかる。
その上、どうしても自家用車の送迎か、レンタカーか、ハイヤーか、徒歩数時間の行程が発生する。
そんな過疎地、限界集落でも、介護支援があり、そこには親身になってくれるプロフェッショナルがいてくれるのがありがたい。
今月、何とか時間や費用の算段をつけて数日帰省ができそうだ。
ちゃんと父に顔を見せて、少しでも母を手伝ってこよう。
やや都会のこちらに二人を呼ぶだけの力があったら…。
元気なうちに一緒に暮らして、結果は今のような状態だったとしても、それまでにできることはたくさんあったはず…。
いやいや、できなかったことを考えるのはやめよう。
今、できることを精一杯やろう。
メソメソすんな、自分。