もう何年も経っているのに、毎年夏がくると高校時代を思い出す。
居候していた祖母の家。
ひんやりとした畳の温度。
風鈴の音。
蚊取り線香の匂い。
制服のまま横になって、頭上にラジカセを置いて、TSUTAYAで借りてきたCDをセットする。
エアコンは嫌いだから付けなかった。
体に纏わり付く暑さに身を任せて、音楽に浸るのが好きだった。
高校生活がキラキラ充実して楽しかったかというと、全くそんなことはない。
友達も少なかったし、毎日鬱屈していて、消えて無くなりたいと何度も思った。
大人になった今の方が遥かに自由で楽しい。
それでも、あの時代のあの瞬間、あの感覚は二度と味わうことができないのだと思うと、
なんだかとても特別でかけがえのないものだったように思えてくる。
年を取ったせいかな。