あなたにとって旅とは?
の、質問に、私なら「気分転換」と答える。
移動することで強制的に世界が広がるし、気分も変わる。
私の人生の転機はいつも旅がきっかけだったし。
旅は私の人生になくてはならないもの。
ただし、生活のあれこれを投げうってまで行きたいものではない。
過去、世界一周をしていたので、自分でも、旅こそ人生、と勘違いしそうになるけど、違う。
自分の生活があって、その上に、旅がある。
それが私のスタンスだ。
そもそも世界一周も、人生に詰んで、希望が見いだせなくなったとき、人に言われて気分転換でいってこようと思っただけだった。
とあるクルーズで参加したのも、世界一周がしたかったからでなく、行きたい国があったわけでなく、単に料金が比較的安くて時期がちょうどよかったから。
周りからちょっと浮いてたけど、みんな優しかったし、結果的に、やりたいことを見つけたし、やっぱり楽しかったから行ってよかったと思う。
そのクルーズの中には、芭蕉ばりの旅人がたくさんいて、お金をためては全額つぎ込んで旅に出る猛者が多かったし、それが旅好きの姿という風潮はあったと思う。
私もそうなりたいと憧れがあったけど、実際は、仕事しなきゃいけないし、お金貯めても、日々の生活や老後の資金も残さなきゃいけない。
あと何より、旅行のためだけに日々の楽しみを全部削るほどの情熱はなかった。
ハレとケの、ハレが旅だとしたらケが日常。
人生は旅だというけど、それは比喩で、物理的な旅行は人生になりえない。
帰る場所があっての旅で、帰る場所を作るのが日々のツマラナイ仕事や地味な生活だ。
仕事は最低限に、好きなことだけやって、日々ささやかな生活を営みながら、たまに頑張って旅行に行くのが理想。
行きたい場所はいつも頭の中に候補があって、暇なときに調べて大体の予算やルートは考えているけど、実際に行くのは、その時がきたら。
計画はしない。
関西から東京に行こうと思ってたのに、急遽長崎に飛んだこともある。
行く場所はぶっちゃけ、どうでもいい。
移動が目的なことが多い。
その時はいつもふいに来る。
人生に詰んでクルーズに乗った時ほどでなくても「あぁ、もう旅に出たい!」と心から思った瞬間が、その時だ。
日々の生活の中で心にたまっていく澱みの濃度が臨界点に達したとき、突発的に思う。
そうなると、調べておいたルートや予算候補を見て、一番実現可能なところに行く。
そうやって、発散させてから、愛すべき日常に戻る。
旅好きとはとても言い難い、でも、旅が必要不可欠なのはそのため。
旅好き、ってハレの日のキラキラ感を毎日出したがるように見えるけど、私は元々腰が重いんだよ。
キラキラした旅ログを見ると触発されるけど、その時でないと、結局計画倒れに終わる。
その計画メモは残しているから、いつかその時が来たら行くかもしれないけど。
旅にすべて賭けるのは危険。
期待値が上がりすぎると、もし思い通りにいかなかったときに絶望しか残らないから。
いろんな国に行ったけど、なんの記憶にも残らない国も、あった。
旅ってそんなリスクもある。
だから、このバランス。
気分転換のための移動が最大の目的だから、動いた地点で期待は超えてる。
だから、楽しめるんだよ。